社史とは何か

 

社史とは何か

「社史」とは、「会社史」の慣用的な呼称です。
意味を広く捉えれば「会社の歴史」そのものを指すことになりますので、論文などでは「社史書」と限定されることもあります。

社史研究の先駆的書物である「社史の研究」(藤田誠久編、有斐閣1990年刊)では、「社史とは、企業自らの歴史を、自らの責任において提供した歴史書」経済団体連合会事務局のライブラリアン出身の村橋勝子さんが、社史1万冊の閲覧を通じてまとめた「社史の研究」(ダイヤモンド社2002年刊)では、「企業が自社の歴史を、社内資料に基づいて、会社自身の責任において刊行したもの」と定義されています。

簡単に言うと、「会社」が「自身の歴史」を「自身でまとめて」「自身の責任で発行」した自費出版物、ということになります。
最近では書物に限らず、インターネットでの掲載、電子書籍、映像など、あらゆる媒体に拡がっています。

しかし、組織が自身の歴史を自らまとめて自費発行する例は、会社だけとは限りません。地元の図書館へ行けば、「〇〇市史」「○○区史」が並んでいます。学校や大学の図書館で、「〇〇校史」「〇〇大学史」を閲覧した方もいらっしゃるでしょう。
ほかにも業界団体や組合、NPOのような非営利法人などいろいろな組織が、年史をまとめ、自費出版しています。再開発協同組合やオリンピックの組織委員会のような時限的な組織がまとめる活動報告も、活動期間の歴史を記録して公刊することから、広い意味での年史と言えるでしょう。

年史に類似した媒体としては、周年を記念して作る冊子などがあります。そのなかには歴史の記録が中心でないものもあり、社史、年史と区別して「記念誌」という言い方をする場合もあります。

社史・アーカイブ総合研究所では、これらの総体を研究対象としています。

<社史・アーカイブ総合研究所 研究員 吉田武志>

 
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