社史・アーカイブ総合研究所主任研究員 中村崇高
これまで学園アーカイブの現状と課題について述べてきました。学校法人にとって歴史は武器であり、それがブランド力向上に資することはいうまでもありません。しかし、その歴史を担保する学園アーカイブは、さまざまな課題を抱えています。この状況を打開するための施策の一つが、外部人材(業者)の活用でしょう。限られた予算と人員で運営しなければならない状況は、今後も変わらないと思います。そこで、学園アーカイブの担当者は、「コーディネーター」として外部人材(業者)を活用しながらさまざまな業務を遂行していく必要があるでしょう。
アーカイブ(ないし歴史学など)の専門家が、学園アーカイブの専任担当者であること、それが望ましい形であるのはいうまでもありません。しかし残念ながら、アーカイブを取りまく現状は、劇的に変化しないと思います。専門人材を雇用できないから活動が停滞してしまう、こうした状況を生み出さないためにも、担当者にはより柔軟な思考が求められています。「足りない知識」はその道の専門家から補う、まさに「餅は餅屋」の思考が、学園アーカイブの現状解決の道ではないでしょうか。
「社史・アーカイブ総研の挑戦」(2019.10出版文化社刊より抜粋)
学園アーカイブの諸課題
2020年3月11日
学園アーカイブの現状
2020年3月10日
学園アーカイブの現状と課題
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現用文書管理とビジネスアーカイブの融合を期待する
2020年1月20日
兼松商店史料
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