アーカイブの活用

 

三洋電機最後の社史

2014年3月31日、三洋電機様にとって最後の社史が発行されました。1950年から2012年、パナソニックへ事業統合されるまでの62年間の歴史が、書籍2冊(経営史・商品史)とDVDの3部構成で展開されております。

1年弱という限られた社史制作期間の中で、三洋電機様の社史プロジェクトチームの皆様は徹夜続きで奮闘されながら、「三洋電機のDNAを残したい」という一念で取り組まれておりました。完成した時には、弊社の担当者も、たいへん感慨深い気持ちになりました。

実は、この社史プロジェクトには、私どもアーキビストも陰ながらお手伝いをさせていただきました。本社を中心とした数万点に及ぶ資料の所在調査を始めとして、社史制作時の資料提供、パナソニック様へ移管する資料の選別、資料データベースの作成業務などを担当させていただきました。

「企業資料」という側面で社史を見ると、62年の間に会社内で作成された資料や開発された製品群に比べ、社史に掲載される情報・資料は、ごく一部に過ぎません。社史に掲載されないものも含め資料群全体を包括的に請け負うのがアーカイブ(アーカイブズ)です。実務的なレベルでいうと、資料の整理を進める中で、「うちの会社にはこんな資料があったんだ。」というお客様の「気付き」が始まり、社史制作に並行して資料の「大切さ」を実感していただくことにつながります。これは歴史の事象を曲げることなく、よりよい社史を制作する上で、非常に大切な「気付き」となります。

歴史の継承には社史が、組織の継承にはアーカイブが歴史的事実の「証人」になります。このたびの三洋電機様の社史制作およびアーカイブのサポートが、同社の骨太な企業継承を実現することに、少しでもお役に立てたのなら、これに勝る喜びはありません。

 
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