アーカイブの活用

 

地方の衰退を止めるアーカイブ利用

山形は酒田を旅行いたしました。昼時に酒田駅に着いたのですが、昼食を採る食堂を探すのに一苦労、地方の衰退を目の当たりにしました。ところが、街中に入り、米倉で名高い山居(さんきょ)倉庫は、観光客で賑わっていました。NHK連続ドラマ『おしん』のロケでも有名になったところです。

山居倉庫とは、明治26年に酒田米穀取引所の付属倉庫として旧庄内藩酒井家により建設されたもので、現在は、JA全農庄内が運営しています。現存する12棟の内、 酒田市が2004年に2棟を買い取り、うち1棟を「庄内米歴史資料館」、もう1棟を「酒田市観光物産館 酒田夢の倶楽」 として一般公開しています。土蔵造りの屋根は二重構造で、内部は湿気防止構造になっており、蔵の背後を囲むケヤキの大木は日よけや風よけの役目を果たすこ とで自然を利用した低温管理が行われている、というガイドの説明に、木造建築と周りの環境のコラボレーションの粋を見た思いがして、なるほど、人をひきつける魅力のある施設と合点しました。

2008年10月に、国土交通省の外局として観光庁が設置されたことは記憶に新しいところです。
さらに同年12月には、「地域活性学会」 が設立されました。地方の衰退に歯止めをかけるべく、従来の大学間や地域内の枠を超えて発足したものです。趣意書に曰く、「…企業においても、NPOにお いても、大学においても、経営構想力が求められています。

しかも、民、学、産、公の協力による問題解決も重要性を増しています…」「経営構想力」のひとつに、未来と過去をどこまで読み込んでいるかという、時間的射程の軸が挙げられます。地方の衰退をおしとどめるためにアーカイブ利用は、経営構想力を発揮するきわめて有効な手段と言うことができるでしょう。

 
社史・アーカイブ総合研究所

お電話でのお問い合わせも受け付けております。

       

03-6824-9113(社史・アーカイブ総合研究所事務局)